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想像以上に酷使している膝(ひざ)
あなたの膝は大丈夫ですか?
「正座すると膝が痛い」「階段の上り下りがつらい」など、膝に痛みをかかえている方は多いです。
その割合は、70歳以上の方の約4割とも言われています。
若い時に正座を続けていると、膝痛になりやすいのです。
正座は膝を本来曲がる以上に無理やり曲げている状態ですから、膝には大きな負担が
かかっています。
他に、「激しい運動で膝を痛める」方もおられます。
しかし、正座をせず安静に生活していても、大丈夫ではありません。
普通に歩いているだけで、膝には瞬間的に体重の3倍もの重みがかかっています。
日々酷使している膝が痛む時、多くの場合は変形性膝関節症にかかっている疑いがあります。
<膝の関節は、わずか4ミリの関節軟骨に守られています>
人間の膝は、太ももの骨とすねの骨が接する部分にあります。
その間には、骨同士がぶつかり合わないようにするクッションが存在します。
それが、骨の表面を覆う、厚さわずか4ミリの関節軟骨です。
関節軟骨は60%が水分で、残りはコラーゲンや、プロテオグリカンというタンパク質、
そして軟骨細胞から構成されています。
関節に衝撃が加わると、水分を出して形を変え、負担を分散してくれる大事な組織です。
変形性膝関節症とは、この関節軟骨が何らかの原因によってすり減ることで起きる病気です。
関節軟骨がクッションとしての役割を果たせなくなると、骨と骨が直接触れて、膝関節が
変形してしまいます。
初期には、はがれ落ちた関節軟骨の小さなかけらが周囲の組織を刺激して炎症を起こし、
膝の痛みとなって現れます。
そして、末期になると、ついに膝が伸ばせなくなってしまうのです。
関節の中の「関節液」が過剰に分泌されて膝が腫れる、いわゆる「膝に水が溜まる」という状態に
なることもあります。
この場合、注射器を使って関節液を抜き取る処置が行われます。
「一度水を抜くとクセになる」とよく言われますが、
病気が続いているから膝に水が溜まるのであり、クセになるのではありません。
前方から見た膝のしくみ

関節包 関節を包む大きな袋。
靭帯 骨と骨とをつなぎ合わせるヒモの役割
関節軟骨
太ももの骨とすねの骨の端に4ミリずつあるクッション。
このわずかな厚さで、何十年も人の体重を支え
続けています。
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変形性膝関節症を発見する方法としては、エックス線検査が一般的です。
関節軟骨はエックス線に写りませんので、関節軟骨がすり減っていたら、骨と骨の間隔が
狭くなっていることで分かります。
ここで注意すべきは、横になってエックス線写真を撮ると、関節の隙間が広く空いてしまい、
正しく診断できないということです。
きちんと立って、膝に重みをかけた状態で撮らなければなりません。
関節軟骨はすり減る前に裂け目ができて、そこから磨耗が進んでいきます。
まだ関節軟骨の厚さが保たれている段階で早期発見して治療にかかることが望ましいのですが、
関節軟骨はエックス線に写らない組織ですから、発見は容易ではありません。
膝に痛みを感じて、それがしばらく続くようであれば、なるべく早めに病院での診察を
受けるようにしてください。
更年期を迎えた方は特に注意
<変形性膝関節症の様々な原因>
膝の関節軟骨がすり減る原因
肥満
歩くだけで瞬間的に体重の3倍もの負担が余計にかかるわけですから、肥満が膝にかける負担は
大変なものです。
例えば、体重が3キロ増えてしまうと、膝にはその3倍の9キロの負担になります。
年齢
年をとると必ず変形性膝関節症になるわけではありませんが、年齢も大きな要因です。
膝には普通に生活しているだけで大きな負担がかかっています。
長年使われ続ければ、それだけ関節軟骨を酷使することになってしまいます。
筋力の衰え
また人間は、年を経るごとに筋力が衰えていきます。
つまり膝を支える筋力も弱くなり、体を支える支持性が悪くなってくるということです。
加齢と共に、膝に負担がかかりやすくなってしまう訳です。
ホルモンバランス
また性別では、女性の方が変形性膝関節症にかかりやすいです。
関節軟骨には女性ホルモンであるエストロゲンの「受容体」があることが分かっています。
つまり女性ホルモンと何らかの関係があると考えられていて、実際に疫学的調査でも、
ホルモンバランスが乱れがちな更年期を迎えた女性の患者さんの数は多いのです。
他にも激しいスポーツ活動や外傷によるものなど、
変形性膝関節症を引き起こす原因は実に様々です。
<変形性膝関節症との付き合い方>
細かいことにも気を配る
変形性膝関節症の治療法としては、注射や手術という方法もありますが、基本的には手術を
しないで、治療をすることが多いです。(保存療法)
膝に痛みを感じたら、なるべくひざに負担をかけないように、日常生活の見直しが必要です。
関節軟骨は一度失ったら元には戻りません。
しかし、適切に生活習慣を改善すれば、変形性膝関節症の進行を遅らせることが可能なのです。
杖をつくとか階段の手すりを使うことも大切です。
また、歩幅を小さくしてゆっくり歩くこと。
痛む間は正座も避けてください。
また、膝を温めれば血流が良くなります。
入浴でゆっくりしっかり温めるのもおすすめです。
筋肉の衰えをカバーし、保温効果もあるので膝のサポーターも上手に利用してください。
少し痛みが引いたら、サポーターを緩くしたりはずしたりして、膝の筋力が低下しないようにします。
<変形性膝関節症の水抜きの是非について>
質 問
膝の腫れと痛みで受診し、変形性膝関節症と診断され、初めて水を抜きました。
リハビリを続けていましたが、しばらくすると、また腫れて水を抜きました。
その後ほとんど痛みも無く 膝もよく曲がるようになりました。
ところが、遠方へ何度か行かなければならない事があり、また膝が腫れました。
知り合いに、「先生の中には水を抜かない方が良いという方 もいる。」という話を聞き、
今回は、冷やしたり安静にしたりして1週間で良くなりました。
今後の対処について教えてください。
回 答
一般に関節に水分様液体の貯留には次のような条件が必要になります。
関節になんらかに物理的または機械的刺激の場合、化学的刺激の場合がある。
1)関節周囲の筋群の弱化による関節の固定性の悪さ、動揺性のための刺激を和らげる
2)関節周囲筋が拘縮し、関節運動正常な関節運動範囲まで十分に行われない
3)炎症がある
以上の条件を排除しない限り、関節水腫の条件は常にそろっているため、
また水腫が出来るということになります。
関節水腫を繰り返すと関節包が緩み、また溜まりやすくなります。
また関節包を作っている滑液膜は刺激を受けさらに、水溶液の分泌を盛んにします。
関節の状態、関節の動く範囲が正常であることが必要です。
正座あるいは正常に座る動作まで出来るよう、関節の運動範囲を広げます。
また膝周囲筋の筋力が弱いと、膝は無駄な動きをとるため膝関節に衝撃を増やさないように
クッション剤として”水”が溜まってきます。
「水」が溜まった後は、まず「水」を抜き、綿包帯やサポーターなどで関節運動を制限保護し、
局所の安静の後、筋力強化・関節可動域改善をしていかなければなりません。
筋力強化、関節可動域改善が行われなければ「水」が溜まることを繰り返します。
回 答 2
「関節に水が溜まる」と言うときの「水」は正確には関節液という液体です。
関節液は血液の行き届かない軟骨の栄養をつかさどっています。
関節に水が溜まる事を「関節水腫」と言いますが、このような状態の関節液は正常なものではなく、
軟骨の栄養に支障を来します。
従って、すぐに水腫が引くような状態であれば 無理に水を抜く必要はないのですが、大量に
溜まっているときや長期にわたって溜まる事が予測されるようなときは穿刺排液した方がよいと
言われています。
また、初診時には関節液の性状が診断の手がかりになる事が多いので、初めての時には
たいてい水を抜いてその色や濁り具合を見ます。
水腫が少量で診断も確定しているときなどは抜かずに様子を見る事もあります。
「水を抜くとクセになる」と言うのは非常によく知られた迷信です。
「風邪の時の鼻水」 にたとえる事があります。
風邪を引いたとき、鼻水が出ます。
このとき、鼻をかんで鼻水を出したら、鼻水が出る事がクセになるでしょうか?
そんなことがないことは通常分かり ます。
鼻水の原因は風邪にあるので、風邪が治ればいくら鼻をかんでいても鼻水は止まります。
これと同じで、膝の水も原疾患が落ち着けば水も溜まりにくくなります。
ただ、風 邪と違うところは基礎に変性と言って、軟骨が傷んでいる事が原因の事が多いため、
風邪のように完治することなく、慢性的に水が溜まってしまうことがあることです。
おそらく はこのような理由からこういった迷信が出てきたのだと思います。
原疾患の治療に専念することが大切です。
<脚の支持性を高めるために、軽い運動で筋力を付けましょう>
変形性膝関節症にかかってしまったら、膝は安静にしなければなりません。
しかし動かさなくなってしまうと、筋力が弱って体の支持性が悪くなってしまいます。
無理の無い範囲で筋力を付けることは大切です。
しかし、「筋力増強」などと言うと、何やらキツイ運動をしなければならないイメージがあって、
特に高齢の方には抵抗があるでしょう。
ましてや、すでに痛みがある膝を酷使しては、弱った膝に余計な負担がかかり
悪化させてしまいます。
おすすめの運動は、自転車を漕ぐこと。
スポーツジムなどにもありますが、事故の危険がないように、室内で固定された自転車をこぐと
良いです。
自転車の良い理由は、体重をサドルが支えてくれて、膝への負担が軽くなった状態で
運動できるからです。
そして運動用自転車のペダルにある、足を固定するベルトを必ず使用してください。
ベルトがあると足を踏み込む動きだけでなく、持ち上げる筋肉も訓練もできます。
そうするとすねの前側の筋力がついて歩行時につま先が持ち上がりやすくなり、
つまずき防止にもなります。
5〜10分漕いで5分休憩、という流れを繰り返し、1日で合計30分程度運動してください。
<強い負荷をかける必要はありません。軽く漕げる程度で十分です。>
また、水中なら膝に負担がかかりにくくなるので、プールに入って運動するのもおすすめです。
その場合、ただ水中を歩くだけではなく、膝をしっかり伸ばしたまま脚を交互にバタバタさせる方が
より効果的です。
太ももの筋肉だけでなく、股関節周辺や背筋も鍛えられます。
泳げない方も、ビート板につかまってバタ足運動をしてみてください。
家の中では、イスに座ってする太ももの強化体操がおすすめです。
痛む膝に負担をかけることなく筋力を鍛えることができます。
太ももの強化体操
椅子に腰かけた状態から右膝の位置が変わらないように
気をつけながら、右足のつま先を天井にむけて膝を伸ばします。
膝が地面と平行になったら、5秒程度静止。
ゆっくり膝を降ろします。 同様に左足も。

左右それぞれ10回ずつ、1日2回(朝と夕方)、3ヶ月続けてください
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こうした運動を継続すれば、必ず筋力がついて歩きやすくなり、同時に体重の減量にもなるのです。
しかし、1人で続けようとしてもなかなか難しいでしょう。
そんな時は音楽を聴いてリラックスしてもいいし、お友達といっしょに楽しく運動してもいいと思います。
変形性膝関節症は患者さんの努力で進行が防げる病気です。
くじけることなく、ゆっくり、あせらず日々の生活改善に取り組んでいただくのが良いでしょう。
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膝サポーターの選び方
自分に合うのはどの膝サポーターか?
具体的な膝サポーターの選び方
「膝サポーター」には、大きく分けて2種類あります。
固定する膝サポーター
・・・・・・両面テープ等で、締め付け具合が調節できるもの
保温する膝サポーター
・・・・・・毛糸等で編んであり、筒状になったもの |
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固定できる・膝サポーター
・・・・面ファスナーで、締め付け具合が調節できる
歩いたり軽い運動をする場合は、固定できる膝サポーターを使用してください。
自分の膝周りに合わせて、サイズの調整できる膝サポーターが望ましいです。
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左右2本ずつ計4本のスパイラルボーン(特殊バネ)が膝関節運動を補助。

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保温する・膝サポーター
・・・・・・・毛糸等で編んであり、筒状になったもの
保温する膝サポーターは、保温効果がありますので、
寒い時期やエアコンで冷える場合には効果的です。
固定する膝サポーター
と併用するのも、良い方法です。
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